「私たちの活動は社会にとって絶対に必要なことだから、とにかく『みんな』に知ってほしい!」
NPOや市民活動の現場で、こんな熱い想いを耳にすることがよくあります。しかし、厳しい現実をお伝えしなければなりません。情報が溢れかえる現代において、「みんなに知ってほしい」という発信は、結果的に「誰にも届かない」原因になってしまいます。
想いを形にし、支援の輪を広げるために不可欠なのが、マーケティングの基本である「ペルソナ設定」です。

今回は、寄付者やボランティアを集めるためのペルソナの作り方を分かりやすく解説します。
なぜ「みんな」ではダメなのか?
想像してみてください。
駅前で「みなさーん!お茶を買いませんか!」と叫んでいる声と、「そこのお疲れ気味のサラリーマンの方!冷たくてスッキリするお茶はいかがですか!」という声。
どちらが振り向きたくなるでしょうか。
人は「自分のことだ」と思わない限り、情報を受け取ろうとしません。ターゲットを広げれば広げるほど、メッセージはぼやけ、誰の心にも刺さらなくなってしまうのです。
「ペルソナ」とは何か?
ペルソナとは、あなたのNPOを支援してくれる「架空の、しかし極めて具体的なたった一人の人物像」のことです。
「30代・女性・会社員」といったざっくりとしたターゲット層ではなく、年齢、職業、家族構成から、休日の過ごし方、何に悩み、何に喜びを感じるのかまで、まるで実在する友人のように解像度を上げて設定します。
NPO支援者のペルソナを作る3つのステップ
では、実際にどのようにペルソナを作ればいいのでしょうか。寄付をしてくれる人、ボランティアに参加してくれる人の顔を思い浮かべながら作ってみましょう。
1. 目的を明確にする
まずは「誰に」「何をしてほしいのか」を決めます。
- お金で支援してほしい(寄付者・マンスリーサポーターなど)
- 現場で一緒に動いてほしい(ボランティアなど)
- 専門スキルを提供してほしい(プロボノなど)
2. 基本情報(デモグラフィック)を設定する
履歴書に書くような基本情報を埋めていきます。
- 年齢・性別: (例:35歳・男性)
- 職業・年収: (例:IT企業のエンジニア・年収600万円)
- 居住地・家族構成: (例:都内マンション暮らし・妻と3歳の子供の3人家族)
3. 内面や行動(サイコグラフィック)を深掘りする
ここが最も重要です。その人の「価値観」や「日常」を想像します。
- 関心事・趣味: (例:休日は子供と公園へ。子どもの教育や未来の環境問題に漠然とした不安がある)
- 情報収集の手段: (例:通勤電車でSNSやニュースアプリをチェックする)
- NPOに関わる動機とハードル: (例:社会貢献したい気持ちはあるが、仕事と育児でボランティアに行く時間はない。でも、クレジットカードで月数千円の寄付なら手軽にできそう)
ペルソナが決まれば、発信が変わる
ここまで具体的な「35歳のITエンジニアで、忙しいけれど子どもの未来のために何かしたいお父さん」というペルソナができあがれば、発信すべきメッセージはおのずと決まってきます。
「みんなで地球を救いましょう!」という漠然とした言葉ではなく、「忙しいお父さんへ。
月1,000円から、子どもたちの未来の森を守る活動に参加しませんか?」という、ダイレクトに心に響く言葉を生み出すことができるのです。
まとめ:たった一人を強烈に振り向かせる
「たった一人に絞ってしまったら、他の人が離れてしまうのでは?」と不安になるかもしれません。
しかし、一人の心に深く刺さるメッセージは、結果的に同じような価値観を持つ多くの人々の共感を呼び起こします。
あなたのNPOが本当に届けたい「支援者」は、どんな顔をして、どんな生活を送っていますか?
ぜひ一度、具体的なペルソナを描き出してみてください。






















こんにちは、愛知県豊橋市を拠点として全国の中小企業の皆さんの、集客と販売促進のサポートを、デザイナーとコンサルタント両方の視点でサポートしている、販促工房の笹野です。