「お客さんからはすごく喜ばれているし、仕事の依頼も途切れない。毎日夜遅くまで頑張っている。……なのに、なぜかいつもお金と時間に追われている気がする」
ふと立ち止まったとき、そんな言葉にならない不安や息苦しさを感じたことはありませんか?
目の前の仕事に全力で向き合い、確かな実力を持っているフリーランスの方ほど、実はこうした「見えない壁」にぶつかりやすい傾向があります。
よく「起業して10年生き残れるのは、ほんの10%程度」という厳しいデータが語られます。
では、消えていった90%の人たちは、実力がなかったのでしょうか? 決してそんなことはありません。むしろ、業界でも評判の腕を持っていた人が、ある日突然、静かに看板を下ろしてしまうケースは後を絶たないのです。
今回は、実力があるのになぜか苦しくなってしまう理由と、フリーランスが長く事業を続けていくための「経営スキル」についてお話しします。
「腕の良さ」と「経営のうまさ」は全く別のスキル
独立して事業を始める人の多くは、何らかの「専門スキル(職人の腕)」を持っています。デザインができる、コードが書ける、接客が素晴らしい、質の高いコンサルティングができる。そして、仕事をとってくるための「営業スキル」を身につけます。
しかし、事業を長く続けていくためには、もう一つ、全く別の筋肉が必要になります。それが「経営スキル」です。
美味しい料理を作れる凄腕のシェフが、必ずしも「利益の出るレストラン」を長く経営できるわけではないのと同じです。仕事が忙しくなればなるほど、目の前の「職人としての作業」に100%の時間を奪われ、一番大切な「経営者としての思考」が後回しになってしまうのです。
実力派フリーランスを追い詰める「3つの落とし穴」
技術力や営業力ではカバーしきれない、経営特有の落とし穴があります。
- どんぶり勘定と「値決め」の失敗
- 「仕事をもらえるから」と安い単価で受け続けたり、作業時間と報酬のバランス(時給換算)を見失ったりするケースです。忙しいのに利益が残らない「貧乏暇なし」の状態に陥り、やがて心身がすり減ってしまいます。
- 「資金繰り」と税金の波
- 売上(利益)が出たからといって、手元にある現金をすべて使っていいわけではありません。数ヶ月後にやってくる消費税、所得税、国保や社保の支払いを予測して現金を残しておく「キャッシュフローの管理」ができていないと、黒字なのに現金がショートして立ち行かなくなります。
- 「孤独」という最大の敵
- 実はこれが一番の理由かもしれません。重大な決断をすべて一人で下さなければならないプレッシャー。そして「自分のやり方が本当に合っているのか」を客観的に指摘してくれる人がいない状況は、経営者の視野をどんどん狭くしていきます。
生き残るために必要なのは「相談できる環境」
では、すべてのフリーランスが、今すぐ分厚い経営の専門書を読み漁り、完璧な財務諸表を作れるようになるべきでしょうか?
答えは「ノー」です。あなたが本来集中すべきなのは、あなたの強みである「専門スキル」でお客様を喜ばせることです。経営のすべてを一人で完璧にこなそうとする必要はありません。
生き残るために本当に必要なのは、高度な経営理論ではなく、「自分の現在地を客観的に見て、一緒に考えてくれる存在(環境)」を持つことです。
「今月の数字、ちょっと無理していませんか?」
「そろそろ、単価を上げる交渉のタイミングかもしれませんよ」
「来年の税金のために、今からこのくらいは現金をストックしておきましょう」
こうしたブレーキやアクセルを、第三者の冷静な視点から伝えてくれる存在がいるだけで、事業の生存率は劇的に上がります。

















こんにちは、愛知県豊橋市を拠点として全国の中小企業の皆さんの、集客と販売促進のサポートを、デザイナーとコンサルタント両方の視点でサポートしている、販促工房の笹野です。