結論、実績ゼロより怖いのは「私は何でもできます!」営業です。
いや、気持ちはわかるんですよ。
駆け出しのHP屋さん、Webデザイナーさんだと、最初はとにかく仕事がほしい。
こんな感じで、全部のメニューをお盆に乗せて「どうぞ!どうぞ!」と差し出したくなるんですよね。
でもですね。
お客様から見ると、それは
「結局、何が得意な人なの?」
となるわけです。
ラーメン屋さんに入ったのに、メニューに
ラーメン、寿司、カレー、パスタ、焼肉、パンケーキ、タピオカ
まで並んでいたら、ちょっと不安になりません?
「この店、本当にラーメンうまいのか?」
ってなりますよね。
クラウドソーシングの営業も同じです。
実績ゼロが問題なのではありません。
相手に「この人に頼んだら安心そう」と思ってもらえる伝え方ができていないことが問題なのです。
クラウドソーシングは初心者にやさしい場所……ではない

クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどのクラウドソーシングは、駆け出しHP屋さんにとって挑戦しやすい場所です。
- 登録はできる。
- 案件も見つかる。
- 応募もできる。
- 自宅から営業できる。
なんて素敵な世界でしょう。
昔なら、飛び込み営業で靴底をすり減らしていたところ、今はパソコンの前で営業できるわけです。
文明、ありがとう。
Wi-Fi、ありがとう。
ただし、ここで大きな問題があります。
ライバルがめちゃくちゃ多いのです。
同じ案件に、10人、20人、場合によっては50人以上が応募していることもあります。
しかも、その中には実績豊富な人もいます。
評価がたくさんある人もいます。
価格がびっくりするくらい安い人もいます。
そんな中で、実績ゼロの駆け出しHP屋さんが
「ホームページ作れます。よろしくお願いします」
とだけ提案しても、まあ埋もれます。
海に落とした一粒の米です。
探す方も大変です。
だからこそ、提案文の書き方が大事になるのです。
お客様は「すごい人」より「不安を消してくれる人」を選ぶ

駆け出しの方ほど、提案文で自分を大きく見せようとします。
- 高品質なデザインを提供します。
- 丁寧に対応します。
- 迅速に納品します。
- お客様に寄り添います。
もちろん悪くはありません。
でも、ちょっと待ってください。
これ、みんな書いています。
- 丁寧に対応します。
- 迅速に対応します。
- 高品質です。
クラウドソーシング界の三種の神器です。
もはや、定食屋の「からあげ定食」くらい定番です。
では、お客様は何を見ているのか?
それは、この人に頼んで失敗しないかな?という不安を消してくれるかどうかです。
たとえば、ホームページ制作を依頼するお客様は、こんな不安を持っています。
- ちゃんと最後まで作ってくれるかな。
- 専門用語ばかりで話されないかな。
- こちらの希望を理解してくれるかな。
- 納期は守ってくれるかな。
- 修正はどこまで対応してくれるかな。
- 作った後、どう使えばいいかわからなくならないかな。
つまり、提案文で伝えるべきことは
「私はすごいです」ではなく
「あなたの不安、ちゃんとわかっていますよ」
なのです。
ここ、かなり大事です。
売り込みではなく、安心材料を渡す
営業というと、どうしても売り込むイメージがあります。
こんな感じですね。
でも、駆け出しHP屋さんがクラウドソーシングで選ばれるために必要なのは、ゴリゴリの売り込みではありません。
必要なのは、安心材料を渡すことです。
たとえば、こんな提案文は少し弱いです。
「はじめまして。ホームページ制作ができます。丁寧に対応しますので、よろしくお願いします。」
悪くはないです。
でも、お客様からすると情報が少なすぎます。
スーパーで、ラベルに
「おいしい肉です」
とだけ書かれているようなものです。
いや、何の肉?
どこの部位?
何グラム?
どう調理したらいいの?
となりますよね。
提案文も同じです。
お客様が知りたいのは、あなたの気合いだけではありません。
- どんな流れで進めるのか。
- どこまで対応してくれるのか。
- どんな部分を確認してくれるのか。
- 納品後はどうなるのか。
- 初心者にもわかるように説明してくれるのか。
こういう情報があると、お客様は安心します。
実績ゼロなら「実績の代わり」を見せる

ここで、駆け出しHP屋さんが必ずぶつかる壁があります。
それが、実績ゼロ問題です。
こんなふうに思ってしまいますよね。
もちろん、実績がある方が有利です。
それは間違いありません。
でも、実績がないなら、実績の代わりになるものを見せればいいのです。
たとえば、
- 架空の制作例を作る。
- 自分のサービス紹介ページを作る。
- 知人のお店を想定したサンプルページを作る。
- ペライチやWordPressでデモサイトを作る。
- 過去に学習で作ったデザインを整理する。
これだけでも、何もない人よりずっと安心されます。
お客様は、あなたの歴史を知りたいわけではありません。
「この人は、どんなものを作れるのか」
を見たいのです。
実績ゼロでも、サンプルがあれば伝わります。
料理人でいうなら、まだお店は出していないけど、試作品の料理写真はあります、という状態です。
それがあるだけで、
「お、ちゃんと作れる人なんだな」
と思ってもらいやすくなります。
提案文では、相手の案件内容に触れる

クラウドソーシングで落ちやすい人の提案文には、ある共通点があります。
それは、誰に送っても同じ文章になっていることです。
いわゆるコピペ提案ですね。
もちろん、ある程度の型を持つことは大事です。
毎回ゼロから書いていたら、時間がいくらあっても足りません。
でも、全部コピペは危険です。
なぜなら、お客様は意外と気づきます。
「あ、この人、うちの内容ちゃんと読んでないな」
と感じるのです。
たとえば、整体院のホームページ制作案件に対して、
「御社のサービス内容を拝見し、集客につながるホームページ制作をご提案します」
だけだと、ちょっと薄いです。
でも、
「整体院の場合、初めて来院する方は『どんな先生なのか』『痛い施術ではないか』『料金はいくらか』『予約は簡単か』を気にされると思います。そのため、トップページでは先生の人柄、施術の流れ、料金、予約導線が伝わりやすい構成にするのが大切だと考えています」
と書かれていたらどうでしょう?
お客様からすると、
「この人、ちゃんと考えてくれてる」
となります。
これが大事です。
提案文は、自己紹介文ではありません。
お客様への理解を伝える文章です。
安売りで勝とうとすると、しんどい沼に入る

駆け出しの頃にやりがちなのが、とにかく安くする営業です。
これも気持ちはわかります。
最初の1件がほしいですからね。
評価もほしい。
実績もほしい。
できれば早く案件を取りたい。
でも、安さだけで選ばれると、その後が大変です。
安いから依頼したいお客様は、次も安さを求めます。
そして、修正も多かったりします。
連絡も雑だったりします。
追加作業も「これくらい無料でお願いできますか?」となることがあります。
もちろん、すべてのお客様がそうではありません。
でも、価格だけで選ばれると、価格だけで比較されます。
これは、なかなか厳しい世界です。
まるで、回転寿司で一皿100円の皿だけを永遠に取られているような状態です。
売れてはいるけど、利益が残らない。
しかも忙しい。
駆け出しの時こそ、安さではなく
「安心して任せられる理由」
を提案文に入れることが大事です。
選ばれる提案文に入れたい内容

では、どんな内容を入れればいいのか。
駆け出しHP屋さんの場合、次の流れが使いやすいです。
①あいさつ
②案件内容を読んだ感想
③相手の悩みや目的への理解
④自分ができること
⑤進め方
⑥納期や修正対応の目安
⑦最後に相談しやすい一言
たとえば、こんな感じです。
はじめまして。
ホームページ制作をしております、〇〇と申します。
今回の募集内容を拝見し、〇〇のお客様に向けたホームページを作りたいという点に興味を持ちました。
特に、初めてサービスを知る方にとっては、料金や流れ、代表者の想いがわかりやすく伝わることが大切だと感じています。
私は現在、駆け出しではありますが、その分、ヒアリングと確認を丁寧に行い、専門用語をできるだけ使わず、わかりやすく進めることを大切にしています。
制作の流れとしては、最初に目的や掲載内容を確認し、その後、構成案、デザイン、修正、納品という流れで進めさせていただきます。
修正についても、事前に範囲を確認しながら対応いたしますので、初めての方でも安心してご相談いただけるように進めます。
まずは、現在お困りの点や、ホームページで実現したいことをお聞かせいただければと思います。
これくらい書けると、だいぶ印象が変わります。
ポイントは、
「私できます!」ではなく
「あなたの目的に合わせて、こう進めます」
となっていることです。
クラウドソーシングは営業の練習場でもある

クラウドソーシングは、ただ案件を取る場所ではありません。
営業の練習場でもあります。
これを試しながら改善できる場所です。
最初から完璧な提案文を書ける人なんて、ほとんどいません。
最初は返事が来なくて当然です。
落ち込む必要はありません。
ただし、同じ文章を何十件も送って、全部ダメで、
「クラウドソーシングは無理だ」
と決めつけるのは、ちょっと早いです。
それは、釣り針にエサをつけずに川へ投げて、
「この川、魚おらんわ」
と言っているようなものです。
いやいや、まずエサをつけましょう。
場所も見ましょう。
魚が食べたくなる見せ方をしましょう。
営業も同じです。
- 提案文を見直す。
- プロフィールを整える。
- サンプルを作る。
- 応募する案件を選ぶ。
- 相手の内容に合わせて一言加える。
この積み重ねで、返信率は変わっていきます。
まとめ
駆け出しHP屋さんがクラウドソーシングで最初の1件を獲得するために大切なのは、実績の多さだけではありません。
もちろん、実績はあった方が有利です。
でも、実績ゼロでも戦い方はあります。
大切なのは、お客様の不安を減らすこと。
案件内容をちゃんと読んでいると伝えること。
安さだけで勝負しないこと。
実績の代わりになるサンプルを見せること。
そして、提案文で「この人なら安心できそう」と思ってもらうことです。
クラウドソーシングは、ただの価格競争の場ではありません。
お客様の困りごとに対して、どれだけ丁寧に向き合えるかを見られる場所です。
実績ゼロだから無理。
評価がないから無理。
経験が浅いから無理。
そんなふうに思わなくても大丈夫です。
最初の1件は、スキルだけで取るものではありません。
相手への理解と、安心感の伝え方で近づけるものです。
駆け出しの時こそ、売り込みすぎず、背伸びしすぎず、でも丁寧に。
「この人、ちゃんと考えてくれそうだな」
そう思ってもらえる提案文を作っていきましょう。
仕事は、いきなりドカンと取れるものではありません。
小さな信頼を、コツコツ積み上げるものです。
まずは1件。
その1件が、次の実績になり、次の信頼になり、次の仕事につながっていきます。

















こんにちは、愛知県豊橋市を拠点として全国の中小企業の皆さんの、集客と販売促進のサポートを、デザイナーとコンサルタント両方の視点でサポートしている、販促工房の笹野です。