あなたは日々の商売の中で「お客様の声」をどれくらい意識していますか?
「アンケート結果をちゃんと見ているよ」「クレームが来たらすぐ対応しているよ」…きっとそういう方も多いと思います。
でも、ここに大きな落とし穴があります。
それは 「声の大きい1割に振り回され、黙っている9割を見失うこと」。
小さなビジネスほど、お客様ひとりの言葉に反応してしまいがちです。特に個人事業主は、少数の意見でも強く響いてしまい、方向転換をしてしまうことがよくあります。結果として、多くのお客様に愛されていた部分を削ってしまうことも。
この記事では、販売促進のプロである私、笹野が「データ分析の落とし穴」と「本当に聞くべきお客様の声」を3つのポイントで解説します。
導入|なぜ9割のお客様を見失いやすいのか?
人間の心理には「ネガティビティバイアス」というクセがあります。簡単に言えば、「悪い情報の方が強く印象に残る」ということ。
たとえば、飲食店の口コミ。星5が90件あっても、星1の口コミが1件あるだけで「大丈夫かな?」と不安になりますよね。これが典型例です。
同じように、経営者は100人中1人のお客様から強烈なクレームをもらうと、その1人を基準に改善を考えてしまいます。でも、それは残り99人にとって本当に必要な改善でしょうか?
ここで大切なのは、声を出さない大多数のお客様の気持ちをどうやって汲み取るか ということです。
ポイント① 声の大きい1割に振り回されない

事例:飲食店のクレーム対応
ある飲食店で「料理が遅い!」というクレームが入りました。店主は慌てて「もっと早く出せるように」と調理工程を簡略化しました。するとどうなったか?
味が落ちてしまい、今度は常連客から「前の方が美味しかったのに」と言われ、リピーターが減ってしまったのです。
会話例
店主:「1人のお客様が遅いって怒ってたんだよ」
常連さん:「え?私はむしろ、ゆっくり食べられるから好きだったのに…」
こうして「声の大きい1割」に対応したせいで、「満足していた9割」が離れていく。これが最も怖いパターンです。
対策
強い意見をもらったときは、すぐに改善する前に「本当に多数派の意見なのか」をデータや他のお客様の声と照らし合わせましょう。
ポイント② 「声なき声」を拾う仕組みをつくる

黙って去るお客様の怖さ
多くのお客様は不満があってもわざわざ言ってくれません。嫌なら次から来なくなるだけ。だからこそ、去っていく理由を探ることが重要です。
事例:ECサイトのリピート率
あるネットショップでリピート率が下がっていました。でもクレームはゼロ。原因を分析すると「商品ページの説明不足」で誤解が生まれ、初回購入で終わっていたことが判明しました。
つまり「不満はあるけど言わない」。そのまま静かに離れていったわけです。
データで拾える「声なき声」
・リピート購入率
・解約率
・滞在時間
・クリック数
これらは数字という形でお客様の気持ちを示しています。データを「ただの数字」として眺めるのではなく、「なぜこの数字なのか」を考える習慣が必要です。
ポイント③ データは地図ではなくコンパス

事例:方向を見失う経営者
「売上が下がった!」と焦って広告費を倍にした経営者がいました。でも根本原因は「既存客が離れていた」こと。広告で新規客を集めても、結局穴の空いたバケツに水を入れている状態で赤字に。
データの正しい使い方
データは万能ではありません。あくまで「方向を示すコンパス」です。
・データは過去の行動の記録でしかない
・未来を保証するものではない
・全体像と合わせて判断する
この視点を持つことで、数字や少数意見に踊らされずに済みます。
会話例
経営者:「売上が落ちたから広告増やそう!」
アドバイザー:「ちょっと待って。まずは常連さんの利用回数を見てみませんか?」
こうした視点の転換が、無駄な出費を防ぎます。
まとめ|データと会話しよう

最後にもう一度整理します。
- 声の大きい1割に振り回されない
- 黙って去る9割の「声なき声」を拾う
- データは地図ではなくコンパスとして使う
データ分析は「数字を読む作業」ではなく「お客様と会話する作業」です。数字の裏にある気持ちを読み解けば、ブレない経営判断ができます。
そして、こうした考え方を積み重ねることで、ファンが増え、安定したビジネスが育ちます。
販促工房は、個人事業主のあなたが「声なき声」に気づき、安心してビジネスを進められるように全力でサポートしています。





















こんにちは、愛知県豊橋市を拠点として全国の中小企業の皆さんの、集客と販売促進のサポートを、デザイナーとコンサルタント両方の視点でサポートしている、販促工房の笹野です。