地域の文化を未来へつなぐ。劇場・音楽堂を支援する「地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業」とは
日本では今、人口減少や高齢化が進み、地域社会のつながりが薄れつつあります。
特に地方では、過疎化によって文化活動の担い手が減少し、地域の芸術や伝統を継承することが難しくなっています。
その一方で、都市部では単身世帯の増加により、地域のコミュニティ形成が課題となっています。
こうした中で注目されているのが、文化芸術を通じて地域を元気にする「地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業」です。
この事業は、劇場や音楽堂などが地域文化の拠点として果たす役割を高めるために、国が助成金を交付して支援する制度です。
助成の対象となる事業内容
本事業では、次の4つの分野に分けて助成が行われます。
- 公演事業
地域の特性やニーズに応じた創造性・企画性の高い実演芸術を支援。
新しい作品の創作や再演、地域間の公演交流などが対象です。 - 人材養成事業
アーティストや制作スタッフ、運営者など、劇場を支える専門人材の育成を支援。
若手の育成や指導者研修など、次世代の担い手づくりを目指します。 - 普及啓発事業
地域住民に実演芸術への理解を深めてもらうための教育・普及活動を支援。
学校へのアウトリーチやワークショップ、レクチャーコンサートなどが含まれます。 - 共生社会事業
障害者や外国人、高齢者など、誰もが文化芸術を楽しめる社会づくりを目的とした取組を支援。
リラックス公演や多文化交流イベントなどが対象になります。
また、上記とは別枠で「バリアフリー・多言語対応」への支援も行われます。
手話通訳や字幕制作、音声ガイド、多言語プログラムの制作など、多様な人々が文化に触れられる環境づくりを支援します。
助成金額とスケジュール
助成率は経費の2分の1、上限は4,000万円。
さらにバリアフリー・多言語対応の取組には、最大50万円までの別枠助成が用意されています。
実施期間は令和8年(2026年)4月1日から令和9年(2027年)3月31日まで。
事前登録は令和7年10月30日(木)まで、応募書類の提出期間は10月31日(金)から11月13日(木)17:00までです。
審査は、有識者による委員会で行われ、「創造性」「国際性」「地域文化拠点機能」「多様性とアクセシビリティ」「活動実績と実現性」の5つの基準で評価されます。
応募対象と条件
対象となるのは、以下のいずれかに該当する団体です。
- 地方公共団体または法人格を有する劇場・音楽堂の設置者・運営者
- 実演芸術団体や地域住民代表などで構成された実行委員会(設置者が中核となることが必須)
また、会計責任者と監査責任者を置き、適正な会計処理体制を持つことも条件となります。
全国の劇場・音楽堂が応募可能です。
地域の文化を未来へつなぐために
この助成事業は、単に資金を支援するだけではなく、地域の文化芸術を「育てる仕組み」を作ることを目的としています。
公演を通じて新しい価値を創造し、人材を育成し、地域の人々と文化をつなぐ。
その先にあるのは、「誰もが文化に触れ、共に生きる社会」の実現です。
あなたの地域の劇場・音楽堂が、新たな文化の中心となるきっかけになるかもしれません。
【参考リンク】
地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業(日本芸術文化振興会)
▶ https://gekijo-ongakudo.ntj.jac.go.jp/oubo/





















こんにちは、愛知県豊橋市を拠点として全国の中小企業の皆さんの、集客と販売促進のサポートを、デザイナーとコンサルタント両方の視点でサポートしている、販促工房の笹野です。