はじめに
「がんばって発信してるのに、なんで反応がないんだろう…」
「良い商品なのに、どうして売れないの？」
そんなふうに感じたこと、ありませんか？
じつはこの悩み、神様の世界でも起きていたんです。
そう、日本神話の「アマテラスの岩戸隠れ」のお話です。
今回は、太陽の神様・アマテラスが“心を閉ざしてしまった理由”と、
そこから“光が戻るまでの流れ”を通して、
今の時代にぴったりな「伝える力」のヒントを一緒に探ってみましょう。
3つのポイントの導入
アマテラスが岩戸に隠れてしまったのには理由があります。
そして、そこから神々が“光を取り戻す”ためにやったことには、
現代のビジネスにも応用できるヒントがたくさんあります。
今日はこの3つにしぼってお伝えします。
✅ ポイント①：「良いものでも、伝え方次第で心を閉ざされる」
✅ ポイント②：「まずは“聞いてもらう仕掛け”が必要」
✅ ポイント③：「光を呼び戻すのは、“みんなの楽しそうな姿”」
それではひとつずつ見ていきましょう。
ポイント① 良いものでも、伝え方次第で心を閉ざされる
アマテラスは太陽の神様。
高天原（たかまがはら）という神様の世界を明るく照らす、とても大切な存在です。
でも、ある日を境に岩戸に隠れてしまいます。
理由は――弟・スサノオノミコトの乱暴なふるまい。
田んぼを荒らしたり、神殿を壊したり、神聖な場所でやりたい放題。
その中でも、機織り（はたおり）の小屋に馬の皮を投げ込んだことで、
アマテラスは「もうここにいたくない」と心を閉ざしてしまいました。
この出来事、現代の発信でも同じことが言えます
たとえば…
・売りたい気持ちが強すぎて、商品の自慢ばかりしてしまう
・相手の状況や気持ちを考えずに、一方的に押しつけてしまう
・お客様が大切にしている価値観に気づかず、軽く扱ってしまう
いくら商品やサービスが“いいもの”でも、
相手が「この人、わかってないな…」と感じたら、もう聞いてくれません。
アマテラスのように、お客様の心のドアは閉ざされてしまいます。
ポイント② まずは“聞いてもらう仕掛け”が必要
アマテラスが岩戸に隠れてしまい、世界は真っ暗。
作物も育たず、神々は大パニック。
そこで登場するのが、アメノウズメという女神です。
彼女がとった行動は──「踊ること」。
え？ 真っ暗な世界で踊る？
それがどうしたの？と最初は思うかもしれません。
でも、神々が笑い声をあげて盛り上がると、
岩戸の奥のアマテラスがこう思うんです。
「……なんで外、楽しそうなの？」
つまり、気になってしまったんですね。
この「気になる」って、すごく大事です。
ビジネスでも、
・つい見てしまうキャッチコピー
・“なんか気になる”雰囲気のデザイン
・他の人が反応している投稿
こういう仕掛けがあると、お客様の心が少しずつ岩戸から出てくるんです。
最初に「聞かせよう」とするんじゃなくて、
「見てもらえるきっかけ」をつくるのが、今の時代の伝え方です。
ポイント③ 光を呼び戻すのは、“みんなの楽しそうな姿”
さて、アメノウズメが踊り出して、神々が笑いはじめたことで、
アマテラスが岩戸を少し開けて外をのぞきます。
そこへすかさず用意された鏡と声かけ。
「あなたより立派な神様が現れたのよ！」
えっ？と気になって外に出たところを、神々がみんなで引っぱり出して、
ようやく光が戻るのです。
これ、実はとっても重要なシーン。
アマテラスは“みんなが自分抜きで盛り上がってる姿”に興味を持ち、
“自分の存在価値”を感じて戻ってきたんです。
私たちが発信するときも同じです。
・「あなたがいないと、こんなに困ってるんですよ」ではなく
・「あなたが来たら、もっと楽しくなるんですよ」という伝え方
この違いで、お客様の心のドアはスッと開くことがあります。
SNSで発信する時も、「感謝」や「楽しさ」「仲間の声」を添えることで、
あなたの発信に“自然な光”が差し込むようになります。
まとめ：「伝える」は押しつけじゃなく、“引き出すこと”
アマテラス神話を読み解くと、
伝えることの本質は「言うこと」ではなく「気づかせること」だと感じます。
今の時代、「伝えた＝伝わった」ではありません。
むしろ、伝えようとするほど、相手は岩戸に隠れてしまうかもしれません。
だからこそ、
✔ 相手の気持ちを大切にする
✔ 押すよりも、まずは気づかせる仕掛けを
✔ “楽しい空気”をつくって、自然と関わりたくなるようにする
こうした工夫が、選ばれる事業主になるためのカギです。
商品やサービスの説明だけでなく、
「お客様が自分から動きたくなる」ような発信――
それが、現代における“本当の伝える力”だと思います。
あなたの発信にも、アメノウズメのような踊りと、
仲間と笑い合うような温かさが加わりますように。
こんにちは、愛知県豊橋市を拠点として全国の中小企業の皆さんの、集客と販売促進のサポートを、デザイナーとコンサルタント両方の視点でサポートしている、販促工房の笹野です。