今回は住宅展示場を一例に挙げて、営業手法について考えてみましょう。営業手法は一概に「これが正解」と言えるものではありません。むしろ、それぞれの会社の状況や方針に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
たとえば、住宅展示場において、どのような人に展示場を訪れてもらいたいか、そのターゲット層に応じた営業手法を考える必要があります。
A:家を建てる可能性の高い人にだけに来てほしい場合
B:できるだけ多くの人に来てもらいたい場合
この二つの手法はそれぞれメリットと
デメリットがあります。
どちらを選ぶべきかは、
会社の方針や状況によって異なります。
AIDMAモデルとは?

AIDMAモデルは、消費者が商品やサービスに対してどのように興味を持ち、最終的に購入に至るのかを理解するためのフレームワークです。営業手法を考える上で非常に有用なモデルです。このモデルは以下の5つの段階で構成されています。
Attention(注意):まずは消費者に自分の会社や商品に気づいてもらう段階です。
Interest(興味):消費者が商品やサービスに興味を持つように働きかけます。
Desire(欲求):その興味をさらに深め、消費者が「これを欲しい」と思う段階に進めます。
Memory(記憶):商品の情報を消費者の記憶にしっかりと残します。
Action(行動):最終的に、購入や契約などの具体的な行動を起こさせます。
では、このAIDMAモデルをもとに、住宅展示場における営業手法を考えてみましょう。
A:家を建てる可能性の高い人にだけ来てほしい場合

まず、「A」のケースを考えます。この手法では、住宅を建てる意欲が高い、いわば「確実なお客様」だけにターゲットを絞ってアプローチします。具体的には、持ち家を既に持っている人には来てもらわず、新しい家を検討している人に絞った相談会を開くといった戦略です。
Attention(注意)
この場合、まずは広告やSNSなどを通じて、「家を建てたい」と考えている人たちに対して住宅展示場の存在を認知させます。広告の内容も、「家を建てる具体的な検討をしている方のみ」のように明確にターゲットを絞る必要があります。
Interest(興味)
次に、そのターゲット層が興味を持つような魅力的なイベントや、家づくりに役立つ情報を提供することが重要です。たとえば、「あなたにぴったりの家を提案する個別相談会」といった内容で、興味を持ってもらいます。
Desire(欲求)
興味を持ったお客様に、さらに「この会社なら信頼できる」「自分たちに合った家が見つかる」と感じてもらうことが大切です。具体的な成功事例や、過去のお客様の声を紹介することで、信頼感を高めましょう。
Memory(記憶)
個別相談会などで得た情報が、お客様の記憶にしっかりと残るように、パンフレットや家づくりに役立つ資料を配布します。また、SNSやメールなどで定期的にフォローアップを行うことも有効です。
Action(行動)
最終的に、実際に家を建てる契約へと結びつけます。お客様が疑問を持ったり迷ったりした場合には、丁寧にフォローアップを行い、安心して決断できる環境を整えましょう。
B:できるだけ多くの人に来てもらいたい場合

一方、「B」の手法では、ターゲット層を広げて、できるだけ多くの人に住宅展示場に足を運んでもらいます。たとえば、家を建てる予定がない人も含めて、イベントを通じて訪問の機会を増やすという戦略です。
Attention(注意)
ここでは、大規模なイベントやキャンペーンを実施し、多くの人に住宅展示場を知ってもらうことが重要です。家族向けのイベントや、子どもが楽しめるアクティビティを用意することで、幅広い層にアプローチします。
Interest(興味)
イベントを通じて来場者が展示場に興味を持つよう、実際のモデルハウスの見学や、家づくりに関するワークショップを用意します。特に、家を建てる可能性が低い層に対しても、「もしかしたら将来、家を建てたい」と思わせる工夫が求められます。
Desire(欲求)
イベントで楽しい思い出を作ることで、家づくりへの関心を高めてもらいます。また、SNSなどで来場者が自分の体験をシェアすることで、他の潜在顧客にもアピールできるようにします。
Memory(記憶)
家族での楽しいイベント体験や、モデルハウスの魅力が来場者の記憶に残るよう、写真撮影やイベント参加者限定の特典などを提供します。これにより、住宅展示場が印象に残りやすくなります。
Action(行動)
この手法では、すぐに家を建てる契約につながらないかもしれませんが、長期的には家づくりを検討する際に再び展示場を訪れる可能性が高まります。また、イベントを通じて集めた名簿を活用し、後日フォローアップを行うことで、成約率を高めることができます。
AとBのメリット・デメリット

ターゲットが絞られているため、効率的に営業ができる。
成約率が高くなる可能性がある。
相談会など、個別対応がしやすい。
集客が限定的になるため、知名度が上がりにくい。
新しい顧客層へのアプローチが難しい。
多くの人に展示場を知ってもらえる。
SNSなどを活用した口コミ効果が期待できる。
長期的なファン作りが可能。
成約率が低くなる可能性がある。
大規模イベントのため、コストがかかる。
営業スタッフのリソースが多く必要となる。
どちらの方針を選ぶべきか?
どちらの方針が正解というわけではなく、会社の状況やリソースによって最適な選択肢は変わります。たとえば、少人数の営業チームで確実に成約につなげたい場合は、「A」のようにターゲットを絞った戦略が効果的です。一方で、知名度を上げて長期的な顧客基盤を築きたい場合は、「B」のように広くアプローチする方法が適しているかもしれません。
最終的には、どちらの方針を選ぶにしても、その選択に基づいた明確な戦略を立てることが重要です。現状のリソースや目指すべき目標に応じて、柔軟に対応しましょう。
営業効果を最大化するために!適切なアプローチの選び方まとめ

営業手法には、ターゲットを絞って確実に成約につなげる方法と、広くアプローチして知名度を上げる方法の2つがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、会社の方針に応じた最適な戦略を選ぶことが大切です。最終的には、現状のリソースや会社の目標を考慮しながら、どちらの方針が自社に合っているかを決め、実行に移しましょう。

















こんにちは、愛知県豊橋市を拠点として全国の中小企業の皆さんの、集客と販売促進のサポートを、デザイナーとコンサルタント両方の視点でサポートしている、販促工房の笹野です。